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2019問屋正勝の巡礼日記⑰

2019年5月22日

5月12日

 Molinaseca

 今日は巡礼を休みました。

 8時半頃から巡礼宿(サンタマリナ)の掃除に参加しました。2008年から毎年やっていることです。

 掃除の効能は絶大です。

部屋が綺麗になると気分がよくなります。帰国後家事をする事に全く抵抗がなくなります。これは退職者には重要なことです。

 巡礼宿の近くで老夫婦が「トイヤでしょう?」と声をかけてきました。バスク地方出身のスペイン人です。「2015年アリカンテからの巡礼路上の村で会った」「貴方のことをよく覚えている」「村の住民から洞穴の酒蔵に一緒に招かれた」と言う。薄れた記憶を頼りにGoogleアルバムから一緒に写った1枚の写真を見せると、「それだ」と言う。数年に一度くらい同じようなことがあります。

 この村には2008年から毎年ボランティアをするために来るようになりました。

いろいろな思い出があります。

 2013年、「日西交流400周年」として各種記念行事が日本とスペインで行われました。私は「両国の大使が地元の知事と記念巡礼・お遍路をする」計画を両国大使館と日西の地元県庁に提案しました。実現のためにいろいろな方のご協力・支援いただき紆余曲折の後実現にこぎつくことが出来ました。

 モリナセカはそのときの重要な舞台の一つです。町営巡礼宿の庭に佐藤大使(現ブラジル大使)とカラスコ知人(故人)の手で桜の木が5本植樹され、記念石柱が除幕されました。石柱のプレートは私が自分のPCで作成したものです。カラスコ知事はその数年後、暴漢によって射殺されました。5本の桜の木は逞しく育ち毎年花を咲かせています。

 2014年、「日西交流400周年記念」事業として香川県在住の仏師凡海さんが3ヶ月かかってモリナセカ町営巡礼宿の庭の生きた胡桃の木に観音像を彫りました。除幕、開眼供養には京都の僧侶や四国NPO遍路とおもてなしのネットワーク関係者40名および地元の多くの関係者が参列しました。現在では時々観光バスで訪問するグループがあるようです。私は最初からコーディネーター通訳者としてこの事業に関与しました。

 2018年、「日西外交樹立150周年」を記念して記念巡礼を計画・募集・実行しました。ルートはモリナセカに出発してポンフェラーダ、モンフォルテを経由しサンティアゴに至る「冬の道」200kmです。参加者は四国、横浜からの8名。沿道の市町村で連日大変な歓待を受け、TVラジオ新聞の取材を受け、サンティアゴでは大司教に謁見する事が出来ました。

 夕方巡礼宿で台湾から来た若い女性が足の指に大きなマメを作って困っていました。柔らかい皮膚だったので処置は簡単でした。