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2019問屋正勝の巡礼日記⑯

2019年5月21日

5月10日

 Astorga - Rabanal del Camino, 21.8km

 今日は道中で5人の日本人巡礼者と15人くらいの韓国人巡礼者に会いました。

そのうちの一人はレオン市で薬局に同行した女性です。すっかりよくなって元気に歩いています。

 今日宿泊の巡礼宿は海抜1200m弱のラバナルデルカミノという小さな村にあります。20人収容の小さな宿で、イギリスの教会が運営しています。世話人はイギリスから交代で派遣されたボランティアさんです。清潔でスペースに余裕があり世話人は親切で快適です。料金は決まっておらず寄付のみです。

 ここからモリナセカまでの25kmの山道は、5年前、米国在住の長男(物理学博士、通訳)が連れ合い(イタリア系米人女性、高校数学教師)と一緒に私の巡礼に同行してくれました。

 アルベルゲの入り口に着くと日本人30歳台のN君が足が痛いといいます。診ると足首がひどく腫れていて腱鞘炎です。明日の行程は100~200mくらいの登り下りの後、一気に900mの下り坂です。多くの人が脚を痛めるところなのでTaxiでモリナセカまで行って2泊の休養をとること勧めました。そしてタクシーと宿の手配をしてあげました。

 夕食は私が近くのミニスーパーで材料を買ってきて巡礼宿でN君と自炊しました。スパゲティとサラダです。

 それを食べているとブランコ氏とその友人が巡礼宿に私を訪ねてきました。話の結果、明日N君も一緒にご自宅の夕食に招待していただくことになりました。

 

5月11日

 Rabanal del Camino - Molinaseca, 歩行距離25km

 ラバナルの巡礼宿を7時前に出発した時は寒くてスキー用手袋を着用しました。

 1時間半くらいで「鉄の十字架」のモニュメントがあります。自宅から持って来た小石に願いを書いて十字架の下に置けばその願いが叶うという伝説があります。長年の間に大きな山となっています。

 海抜1500mのイラゴ山を超えて900m降りるとモリナセカです。長距離を歩いて軋む体で急な下り坂を降りるとモリナセカに着くころには脚を傷めるている人もすくなくありません。

 モリナセカの巡礼宿に着くと御主人のアルフレッド、奥様のクリスティーナ、スタッフのパコが暖かく迎えてくれました。アルフレッドとは2007年最初の巡礼の後、西端のフィニステーレ岬で知り合いました。翌2008年から毎年巡礼の後、モリナセカにあるアルフレッドの巡礼宿で2週間~1ヵ月ボランティアをすることになりました。仕事は4人で分担して行います。私の仕事は全館のはき掃除とモップ掛けです。昼食はクリスティーナが作る家庭料理を一緒に食べます。

2009年、アルフレッドはモリナセカ町長と一緒に来日し私の案内で四国各地や京都を訪問しました。またアルフレッドは四国との交流を始める過程で大きな貢献をしました。

 夕方脚をいためてタクシーで来たN君に通訳として町の薬局に同行しました。

 夜9時、日本からのメンバー2名と昨日知り合ったN君の4名が隣のベンビブレ町のオーナシェフRafaeに招待され彼のレストランLa Piedraでご馳走になりました。セシーナ(牛の生ハム)、チーズ、鴨、キノコ、メルルーサなどの料理が次々と出てきました。もちろん赤と白のワインもありました。

 食事の後、karaokeタイムとなりオーナシェフのラファエルがうまい歌を披露してくれました。日本人のSさんはフラメンコが得意でレストランに居合わせた25人くらいのスペイン人は皆驚きは大きな拍手がありました。そのうち数名が立ち上がって踊りに加わりました。宿に戻るのは少し遅くなりました。