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2019問屋正勝の巡礼日記⑲

2019年5月24日

5月15日

 Vega de Valcarce - Fonfría, 歩行距離23.3km

 サンティアゴ巡礼路の最大の難関と言われるセブレイロ峠を越えました。途中でガリシア州に入りました。

高低差は800mありますが日本でトレーニングを重ねた我々にはそれほどのものではありませんでした。

 峠にはSanta María教会があります。巡礼路で最古の教会でいろいろな奇跡を起こし、巡礼路の黄色の矢印を始めた神父がおられました。

 峠には数軒のPallosaが見られます。前ローマ時代、ケルト民族は東アジアから西に進み北スペインからスコットランドに勢力を伸ばしました。Pallosaは石作り茅葺きの家、ガイタと呼ばれるバグパイプとともにケルト文化の名残です。ガイタはスコットランドのバグパイプとそっくりです。

 Fonfríaの巡礼宿はAngelaが経営するアルベルゲです。アンヘラと知り合ってもう10年になります。「あいTV」のロケで宇都宮まきが淡い恋心を抱いたロシア人青年と出会った所です。

 夕食は全員でPallosa作りのアルベルゲのレストランでとりました。食事後queimada、各国の歌、踊りがあり巡礼者は皆楽しんでいました。

 queimada:発祥時期不明。素焼きの器にスペイン焼酎、コーヒー豆、オレンジ・リンゴ、砂糖を入れる。点火すると青い炎を上げて燃える。嫌なこと、悪霊は出ていけと呪文を唱える。残った液体を皆で飲む。

 

 

5月16日

 Fonfría - Sarria, 歩行距離27.4km

 Fonfriaの巡礼宿の女主人アンヘラとは2008年にちかくのBalboa村へアルフレッドと一緒に出かけたとき知り合いました。それ以来何度もこの巡礼宿に滞在しています。

 ルイス・イサベル夫妻とその息子のホアキンはCaseresの西90kmの国境の小さな村Huertaに住んでいます。8年ほど前に10日間程夫妻の家に招待されました。Huertaを拠点にルイスの車でポルトガル各地を訪問しました。

 アンヘラと夫妻は旧知の仲で、アンヘラは私との写真を夫妻に送ると言いました。

 四人でFonfriaを出発したのはまだ暗い6時半でした。1時間ほど歩いたところで夜明けの雲海に出会いました。海抜1300mから眺める朝日に照らされ刻々変わる様子は絶景です。

 ぐんぐん降りるとガスの中にそして曇ったTriacastelaの村に着きました。

 Triacastelaのサンティアゴ教会では「あいTV」のロケで神父による祝福を受けました。神父の言葉に感動した同行の女性通訳が泣き出し、主人公の宇都宮まきの顔がそれまでのハイカーのものから巡礼者のそれに変わった瞬間でした。昨日のことのように覚えています。

 Samos修道院の向こう側のレストランで昼食を取りました。ご主人は数年前2ヶ月かけて熊野古道を歩いたといって写真を見せてくれました。四国遍路や熊野古道のことを知っている人は確実に増ていることを実感します。

 昼食後歩き始めて降り出した雨はやがて本降りとなりSarriaに着いたのは4時半頃でした。宿のご主人Joseが暖かく迎えてくれました。

 ここで新たに日本から来た3人と懐かしく再会しました。我々は7人になりました。

 7人は昨年10月から毎週末丹沢の山に出かけてトレーニングをして来た仲間です。

 明日は朝から雨の予報です

 

写真は

州境の道標