スペイン語講座・スペインとの文化・AIYES通信 | 横浜スペイン協会|

サンティアゴ巡礼路便り⑪

2016年8月20日

8月11日、31km歩いてサント・ドミンゴ・デ・カルサダに来ました。この宿泊施設は211人収容できます。すぐ近くの大聖堂内には「鶏伝説」にちなんで一つがいの鶏を飼っています。またこの巡礼宿の庭にも一つがいの鶏が飼われていて交代で当番をこなしています。

今日もリオハのブドウ畑を見ながら歩きました。涼しかったので距離は長めでしたが体への負担は大きくはなかったです。

 

「鶏伝説」

昔、ドイツから年頃の息子を連れた夫婦の巡礼者がこの村にやって来ました。すると村の娘がこの息子を好きになってしまいました。しかし 息子にはこの娘のことは全く興味がありません。腹を立てた娘は、自宅の大切な銀の食器を息子のリュックにそっと詰め込んで、村の役人に息子が盗みを働いたと言いつけました。その頃、村人は巡礼者をもてなす義務がありましたが、一方巡礼者の犯罪には厳しい処罰が待っていました。息子は縛首の刑に処されたのです。悲しみながらも夫婦はサンティアゴまで巡礼を続け、帰路再びこの村にやって来ました。すると不思議なことに息子はまだ生きていたのです。驚いた夫婦は早速村の役人のところへ行って事情を話して助けてほしいと懇願しました。すると食事中の役人は「そんなバカなことがあるもんか。それはまるでこのテーブルのローストチキンが起きあがって「コケコッコー」と鳴くようなもんだ。」と言いました。すると突然そのローストチキンが起きあがって「コケコッコー」鳴いたのです。驚いた役人は大急ぎで息子を無罪解放しました。